【必見!】脂肪を摂らないダイエットが間違っている6つの理由

体内に吸収された脂肪の役割には、3つあります。
・エネルギー源として燃焼する
・体脂肪として蓄積される
・細胞膜の材料になる
人の身体は60兆個の細胞で成り立っていますが、
この細胞の一つ一つの境界は細胞膜でできています。
その細胞膜を作るのになくてはならない物質、
それが脂肪なのです。
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オメガ3系脂肪酸は、必ず食事から摂る必須脂肪酸!
通常、脂肪酸は次の4種類に分けられます。
・飽和脂肪酸
動物性食品に多く、摂りすぎると体脂肪として蓄積されます。
・オメガ9系不飽和脂肪酸
オリーブオイルが代表的な脂肪酸。心筋梗塞などの心血管疾患
を減らすと言われ、ポリフェノールも含まれ、抗酸化作用もあります。
・オメガ6系不飽和脂肪酸
これは必須脂肪酸で、欠乏すると皮膚のトラブルの原因に
なったりもしますが、実際は過剰に摂り過ぎの傾向のため、
アレルギーなどを招きがちです。
・オメガ3系脂肪酸
動脈硬化やアレルギーなどを抑える作用があると言われています。
青魚に多く含まれ、植物油ではアマニ油、エゴマ油などに含まれています。
酸化しやすい成分なので、冷蔵保存が望ましいです。
脂肪は分子の長さによって、中鎖、長鎖などに分けられますが、
これらの4種類は、いずれも長鎖の仲間。
オメガ6系脂肪酸とオメガ3系脂肪酸は、動物の体内で合成できないため、
必ず食事から摂取しなければならない必須脂肪酸です。
ですから、ダイエットで、これらの必須脂肪酸まで摂らなくなるのは
避けましょう!
オメガ3系の油が持つ、身体の働きにとっての大事な点とは!
細胞膜は、2個の脂肪酸とリン酸が結合した「リン脂質」から成り立っています。
2個の脂肪酸とは、飽和脂肪酸とオメガ3系脂肪酸です。
細胞膜の分子は、このように脂肪酸の組み合わせで成り立っているわけですが、
この組成の違いが細胞の活性度にまで影響を与えている可能性があると
言われています。
どういうことかと言いますと、オメガ6系やオメガ3系の脂肪酸の分子の形が
曲がっているのに対して、飽和脂肪酸やオメガ9系の脂肪酸の分子の形は
真っ直ぐです。
つまり分子の形が曲がっている細胞膜というのは、膜の中に隙間が多く、
流動性の高い柔らかい膜とも言えます。
網膜や精巣、脳などの細胞膜には、オメガ3系の脂肪酸がとても多いです。
特に脳は、オメガ3系の脂肪酸の一つである、DHAを脳内へ運ぶための
メカニズムを持っています。
マウスでの実験では、脳内でDHAが不足することにより、
脳の発達や知能に異常が起きたということから、細胞膜を作る脂肪の
組成が脳の働きにまで影響しているようです。
オメガ3系脂肪酸から作られる「レゾルビン」などの生理活性物質とは!
脂肪の働きとして、最近注目されているのは生理活性物質としての機能です。
古くから知られているのは、プロスタグランジンという炎症・発熱などを
引き起こす物質です。
人の身体の中に病原菌が侵入すると、免疫細胞がその病原菌と戦ってくれますが、
その時に発熱や痛み、腫れといった不快な症状を伴うことはあなたも経験上、
知っていると思います。
このプロスタグランジンという物質に起因する反応を抑えれば
発熱や痛みが和らぐのですが、この物質はオメガ6系の脂肪酸から作られています。
そして最近では、オメガ3系脂肪酸から作られる「レゾルビン」などの生理活性物質が
炎症反応を抑えるということで注目されています。
このようにダイエットで、何でもかんでも脂肪はダメ! ということではありませんので、
正しい「油」の知識を身に付けることが大切です。
正しいダイエットをするための、正しい「油」の知識とは!
私たちの身体は、水分が約70%を占めています。そのため、栄養成分を
水に溶かして身体の隅々にまで運ぶのが基本になります。
そうすると油は水に溶けませんから、身体の中でどのように運ばれているのか
疑問になると思います。
脂肪の分子は、まず腸粘膜の細胞内に入り、そこでタンパク質の分子と結合します。
カイロミクロンという物質は水に溶けますが、この物質は分子サイズが大きくて、
毛細血管に入れません。
そこで血管ではなくリンパ管へ流れ込みます。鎖骨のあたりで血管である静脈に
合流して全身へ届くという流れです。
但し、脂肪の中でも分子が小さいものは、水に溶けやすいため、門脈から肝臓へ
流れ込み、体内に取り込まれていきます。
この場合は肝臓がすぐに代謝をするため、体脂肪になりにくいと言われています。
ココナッツオイルは、この分子が小さい中鎖脂肪酸を多く含むため、
ダイエットオイルとして注目されているわけです。
4つの脂肪酸がそれぞれ多く含まれている代表的な食材の含有率!
4つの脂肪酸がそれぞれ多く含まれている代表的な食材ですが、
・飽和脂肪酸
豚肉に含まれる脂肪酸の割合は、飽和脂肪酸が42%、オメガ9系
不飽和脂肪酸が47%で、オメガ6系の不飽和脂肪酸も11%と
比較的多く含まれています。
・オメガ9系不飽和脂肪酸
オリーブに含まれる割合は、オメガ9系不飽和脂肪酸が76%、
飽和脂肪酸が18%です。
・オメガ6系脂肪酸
トウモロコシに含まれるオメガ6系脂肪酸は41%、オメガ9系脂肪酸が
38%。
・オメガ3系脂肪酸
鯨の場合、オメガ3系脂肪酸は22%、オメガ9系脂肪酸は48%、飽和脂肪酸は
25%、オメガ6系の脂肪酸は、4%しか含まれていません。
オメガ3系の脂肪酸は青魚を食べると摂れると言われる理由とは?
青魚自身は、自分の体内でオメガ3系の油を合成することはできません。
魚が食べる植物プランクトンがオメガ3系の油を豊富に作るためなのです。
ですから例えばトウモロコシを食べている牛肉の、オメガ3系脂肪酸の
割合は少ないですが、牧草を食べている牛肉のオメガ3系脂肪酸の割合は
高いです。
これは牧草には比較的オメガ3系脂肪酸が多く含まれているために、
それを食べて育った牛肉のオメガ3系脂肪酸の割合も高くなるというものです。
★★食べているエサによって、オメガ3系脂肪酸の含有率はかなり変化します。
また最近の研究によって、オメガ3系脂肪酸の割合が高い動物は、炎症性疾患や
悪性腫瘍になりにくいという研究結果も得られています。
出典 日経ヘルス